
コロナ禍で、テイクアウトや宅配の需要が伸びたといわれるハンバーガー業界。
低価格と提供スピードの速さで常に人気のファストフード店、食材や製法にこだわる高級グルメバーガー専門店のみならず、大手飲食チェーンまでがこぞってバーガーメニューを導入していますね。
そんな中、肉の替わりに大豆や小麦など植物性原料で作る「植物性パテ」を使ったバーガーが注目を集めています。
「ヴィーガンバーガー」「プラントベース(べジ)バーガー」などと呼ばれる肉を使わないバーガーとは一体どんなものなのか、味や栄養についてもお伝えします。
【目次】
2-1.「植物パテ」の課題
6. まとめ
ヴィーガンバーガーとは

ヴィーガンは、ライフスタイル全般において動物愛護の観点を持っており、食事においては動物性食品のすべてを避けます。
つまり「ヴィーガンバーガー」とは、動物性食材を一切使わずに作られるハンバーガーのことです。
よく同じ意味に捉えられてしまう「プラントベースバーガー」や「べジバーガー」は、100%植物性原料とは限らないという点で、ヴィーガンバーガーとは言いきれません。
畜産・環境・健康・食糧危機など、世界がかかえる深刻な問題を解決するひとつの方法として、植物性原料で作る「代替肉」「フェイクミート」の研究が進んでいます。こうした背景から、日本でも「プラントベースバーガー」や「べジバーガー」、「ヴィーガンバーガー」などを提供するお店が増えてきました。
ファストフードやコーヒーチェーンが「植物パテ」を導入

イギリスやアメリカのファストフードチェーンは、現在までに多くのヴィーガン向けメニューの製造、アイテムを倍増し続けています。
日本で、2015年に植物性パテをいち早く導入したモスバーガー。大豆由来の「植物性たんぱく」をベースにした「ソイパティ」は改良を重ねるごとに進化し、現在はソースやバンズにも動物性食材を使わないバーガーを誕生させました。
食品油脂メーカー大手の不二製油と協力して、大豆から油を搾り出した後の「脱脂大豆」を利用した植物パテを開発した、ロッテリア。
フレッシュネスバーガーは、発芽大豆を原材料とする独自の技術で旨味成分であるアミノ酸を多く含んだ代替肉開発に取り組む日本の代替肉メーカーDAIZ(ダイズ)社製のパテを取り入れました。
こうした大手ファストフード店をはじめ、スターバックスコーヒーやドドールなどのコーヒーチェーンでも植物パテを使ったバーガーが販売されています。しかし、単にそれだけでは「プラントベースバーガー」「べジバーガー」であり、「ヴィーガンバーガー」ではないので、注意が必要です。
では、国内でヴィーガンバーガーを販売しているのは、どんな店でしょうか。
アメリカ コネチカット州に本社を構えるハンバーガーのフランチャイズチェーン「ウェイバック バーガーズ」表参道一号店。日本発のフードテックベンチャー「ネクストミーツ」の代替肉を使用したヴィーガンバーガー「ネクストバーガー」を国内のみで展開しています。
ほうれん草を練り込んだバンズとたっぷりの野菜を組み合わせた食べ応えのある一品で、健康志向のノンベジにも人気が高いそう。
ヴィーガンバーガー専門店「スペリオリティーバーガー」は、全てのメニューで卵・乳製品を使用していないだけでなく、店内・厨房内に動物性食材が一切ない環境で調理しています。ヴィーガンや食品アレルギーをもつ方にとっては、安心なお店といえそうです。
参照:
INCIDER/ファーストフード チェーンがついにビーガン フードを真剣に受け止め始めた/
https://www.businessinsider.com/fast-food-chains-are-finally-taking-vegan-food-seriously-2022-1
BUSINESS INSIDER/国内「大豆肉」ハンバーガー勢力図。モスにバーキン、ロッテリアにフレッシュネス、なぜ植物肉を使うのか?/https://www.businessinsider.jp/post-227801
SWAG HOMMES/米国で今最も勢いのあるハンバーガーチェーンと,
「ネクストミーツ」が協業したヴィーガンメニュー。/https://swaghommes.com/life-style/meat-free-monday-wayback-burgers/
「植物パテ」の課題

植物パテの開発には、「旨味」「食感」「大豆特有のにおい」が課題といわれてきました。
しかし、メーカーや作り手の努力の甲斐があって、最近私たちが口にする植物パテのハンバーガーは、劇的に改良されました。
肉と変わらぬ食べ応えや満足感、新しい味わいのハンバーガーとして、日本でも人気上昇中。健康意識の高いノンビーガンも、積極的にヴィーガンバーガーを選択しているようです。
ヴィーガンバーガーは、チーズも乳製品不使用