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ヴィーガンはタンパク質が不足する?タンパク質が不足すると、どうなるの?その対処法は?


コラムでもたびたび出てくる話題ですが、ヴィーガンの方の悩みといえば「タンパク質の摂取」です。ヴィーガンの方は動物性食品を一切口にしません。タンパク源として広く知られている肉や魚を全く食べないと不健康になるのでは?と誰もが心配になるのも無理はないでしょう。

しかし、タンパク質、アミノ酸バランスのとれた植物性の食材、ヴィーガン・ベジタリアンの食品だけで十分なタンパク質を摂取できることが最新の研究でわかっています。さらに、植物性タンパク質を選択することで得られる健康的・環境的メリットもあります。そこで今回は、タンパク質の役割や栄養素に今一度注目!ヴィーガンの方はどうやってタンパク質を摂取すればいいのか、具体的な食材を挙げながらお伝えしていきます。


<目次>






そもそもタンパク質ってどんな栄養素?どんな働きがあるの?

私たちの体は常に新陳代謝を繰り返しており、体の細胞が生まれ変わるときにはタンパク質が不可欠です。タンパク質は、身体の様々な部位を構成し、免疫機能や神経伝達など、身体機能に重要な役割を果たす栄養素です。タンパク質が不足することで引き起こされる症状としては、肌や爪、髪の毛のトラブル、免疫機能の低下、骨密度の低下などがあります。アミノ酸は生命の源、その多くは食べ物から補給していますが、とりわけ必須アミノ酸は体内で合成できないので、必ず食事で摂取する必要があります。


★豆知識★

私たちの身体をつくっているタンパク質は20種類のアミノ酸で、そのうち9種類のアミノ酸(ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン(リジン)、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン(スレオニン)、トリプトファン、バリン)は身体で合成することができず、食事から摂取する必要があります。これらのアミノ酸を必須アミノ酸と称します。


参照:味の素株式会社 アミノ酸大百科


アスリートや筋肉トレーニングをしている方、普段から運動量の多い生活を送っている人が、タンパク質を最優先に考えるのはこのためです。タンパク質が不足すると、筋肉量が減少するだけでなく、代謝が低下し、さまざまな不調を引き起こします。毎日の食事で意識的にタンパク質、必須アミノ酸を摂取することは、ベジタリアンやヴィーガンにとっても重要であると言えます。



1日に摂取すべきタンパク質

1日に必要なタンパク質の量は基本的にその人の生活習慣と体重によって異なります。一般的には体重1㎏当たり0.8g~1.2gグラムが目安とされています。体重50kgの場合、40g〜60g、筋力トレーニングや運動量の多い方はタンパク質の消費量も多くなるので、1㎏当たりのタンパク質必要量はもっと多くなります。

1日のカロリー摂取量の10~15%をタンパク質に充てることを目標にする方法もありますが、これらの知識はあくまで目安、本気で取り組むならば管理栄養士や専門家のアドバイスを受けるといいでしょう。


厚生労働省の推奨量は成人男性60g、成人女性50gです。この数値は健康を維持するのに最低限必要な量であり、9種類の必須アミノ酸をバランスよく摂取する必要があります。


参照:厚生労働省 『日本人の食事摂取基準(タンパク質)』(2020年版)










植物由来の食品だけで本当に十分なタンパク質が取れるの?

植物性タンパク質も必須アミノ酸を十分に含んでいます。肉や魚ほどではありませんが、組み合わせ次第で必要な必須アミノ酸を摂取することは可能です。では、なぜ、これほどまでにヴィーガンはタンパク質が不足するといわれるのでしょうか。

植物性のタンパク質は豆類や穀類に多く含まれていますが、実際のところ野菜や果物にはさほど含まれていません。そのため、野菜が豊富な食事をしているイメージのあるヴィーガンは、タンパク質が不足すると捉えられがちなのでしょう。



スーパーで手に入るタンパク質を多く含む植物性食材は?


(例)

大豆製品:豆腐、豆乳、納豆

小麦・穀類:パンや米、オートミール

そば

豆類:ひよこ豆、レンズ豆

ナッツ類 

シード類:カボチャの種、ヒマワリの種

加工品:大豆ミート

スーパーフード:キヌア、チアシード、ヘンプシード



「アミノ酸スコア100」「畑の肉」と呼ばれる大豆は、ヴィーガンの強い味方!



必須アミノ酸の宝庫「大豆」、そのほかの優秀食材

ヴィーガンにとって欠かすことのできない食材「大豆」には、豊富なタンパク質のほか食物繊維やカルシウム、鉄分が多く含まれています。大豆から作られた「豆乳」にもタンパク質やイソフラボンが多く含まれており、女性ホルモンに働きかけて生理不順改善の効果が期待できると言われています。


主食の中でも高いタンパク質含有量を誇る「そば」には、抗酸化物質も含まれます。グルテンフリーを目指す方は、十割そばを選ぶといいですね。


「アーモンド」や「ピーナッツ」などのナッツ類も、必須アミノ酸が豊富な食材として知られていますし、「カボチャの種」や「ヒマワリの種」などの種子類も、ナッツ類と同じくらいのタンパク質を含みます。


主食である「パン」や「お米」は“糖質のかたまり”というイメージがあると思いますが、実はタンパク質も含まれています。必須アミノ酸も含まれていますが、ただ効率よく必須アミノ酸を摂取するならお米の方がベター。お米にはリジン以外の必須アミノ酸が全て含まれています。


★豆知識★

リジンは他の食材から補う必要がありますが、オススメは「ひよこ豆」です。ひよこ豆は別名ガルバンゾーとも呼ばれる豆の一種。お米と一緒に食べることで、たんぱく質はほぼ完璧に摂取することができます。ちなみに、日本はひよこ豆の栽培に適した気候でないため、日本で売られているものはアメリカやメキシコなど海外から輸入されたものです。フムスやダルカレーといった、中東の料理では頻繁に使われています。


「レンズ豆」は見た目がレンズのような薄い楕円の形状をしており、こちらもカレーやスープによく使われる食材です。ひよこ豆・レンズ豆、どちらもたんぱく質が豊富。また大豆とは違った食感なので、料理のバリエーションが広がります。


参照:アミノ酸スコアとは?アミノ酸スコアに関してよくある間違いも解説


いわゆるスーパーフードもオススメです。グルテンフリーのスーパーフード「キヌア」はタンパク質の量がなんとお米の2倍以上です。それに必須アミノ酸をバランスよく全て含んでいるのも魅力です。


「チアシード」もタンパク質が豊富に含まれていて、植物の中ではタンパク質含有量は群を抜いて高いです。また、水溶性、不溶性食物繊維をバランスよく含んでおり、便秘で悩んでいる方には効果的な食材です。


「ヘンプシード」はタンパク質が多いだけでなく、オメガ3とオメガ6脂肪酸のバランスが最適であるとされています。



果物にタンパク質は含まれているのか?

残念ながら果物はビタミン、ミネラルは豊富なのですが、野菜に比べるとアミノ酸含有量は小さいです。



高タンパク質な野菜


・ブロッコリー

・芽キャベツ

・枝豆、そら豆

・にんにく

・よもぎ

・パセリ

・たけのこ

・わさび

・豆苗

・しいたけ・・・など


野菜はあまりタンパク質を含んでいないイメージがありますが、「ブロッコリー」は比較的多くのタンパク質を含みます。ビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含んでいます。「芽キャベツ」もタンパク質を多く含みます。


「枝豆」は、高タンパクなのに糖質が低いので、ダイエットをしている人にはおすすめです。

食物繊維も豊富です。


「そら豆」にも多くのタンパク質が含まれており、また、ビタミンB群が豊富です。ビタミンB群には糖質をエネルギーに変えたり、代謝を促す働きがあります。身体に大切な栄養素をそら豆では一度に摂取することができます。



1日のタンパク質摂取量を手軽に増やすなら「植物性のプロテインバー」、ヴィーガン向けの「プロテインパウダー」はスムージーに!

忙しくて料理を作る時間が取れない方や、外出先で手軽にタンパク質補給をしたい方には、植物性のプロテインバーが便利です。また、スムージーで効率的に栄養を取りたい方や、軽食用としてストックするなら、プロテインパウダーがオススメです。ほとんどのヴィーガンプロテインパウダーには、他の食品では不足しがちな必須アミノ酸が含まれています。



タンパク質は日常的に意識して取り入れていこう

ヴィーガンの方がタンパク質不足にならないためには、野菜や果物のほかに、身近な植物性タンパク質の食材(豆類や種実類、穀物など幅広い食品群)を、アミノ酸バランスを考えて組み合わせる(欠けている必須アミノ酸を補い合う)ことで回避できることがおわかりいただけましたか?


最近では、スーパーマーケットやコンビニのような身近な場所で、植物性タンパク質を多く含むプラントベース食品や加工品を手軽に購入できるようになってきているので、そこまでタンパク質不足を心配する必要はないかもしれませんが、日常的に意識して取り入れることが大事ですね。



 





 



1 Comment


kaero85
Apr 25, 2022

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