
ヴィーガン食品の中に「グルテンフリー」の文字やマークを見る機会が増えてきました。
トレンドに敏感なヴィーガンの方なら、ヘルシーな食生活のひとつとして話題の「グルテンフリーダイエット」にチャレンジされているかもしれませんね。
グルテンフリー製品に対する世界の動きは急拡大しています。ある市場調査では、グルテンフリー製品の市場規模は、2020年の56億米ドルから2025年には83億米ドルに達すると予測されています。今後はますます日本でもグルテンフリー食品や飲食店のグルテンフリーメニューが増えていくことでしょう。
ところが、このブームとは裏腹にグルテンフリーダイエットの目的や、そもそもどんな食べ物がグルテンを含まないのか、グルテンフリー生活を取り入れるとどんなメリットが期待できるのかなど、正しい区別や知識、情報を得るのは簡単ではありません。なぜならグルテンフリーはヴィーガンよりも避けるべき食材が多く、また国によるグルテンフリーの基準やルールもさまざまだからです。
そこで今回は、グルテンフリーの基礎知識から最新動向までをまとめてみました。ちょっと難しい内容も含みますが、グルテンフリーを生活に取り入れてみたい方はしっかりチェックしてくださいね!
目次
3. 小麦やグルテンが原因の病
グルテンフリーとは?小麦アレルギーのこと?

国民の2人に1人が、なにかしらのアレルギー疾患をかかえているといわれる現代。なかでも食物アレルギーの代表である卵・乳、そして食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因食物として最も頻度が高いのが小麦です。
うちの子は小麦アレルギーだから、普通のケーキやパンが食べられない、、、ひと昔前は、食制限のストレスを抱えて悲しい思いをするお子さんに対しての解決策はほとんどありませんでしたが、小麦のかわりに米粉やおからで作られたパンやスイーツが開発されるようになって以来、皆で一緒に食事を楽しめる場面が圧倒的に増えました。
このようにグルテンフリー=小麦を避けること、という認識があるかもしれませんが、小麦だけでなく大麦、ライ麦などに含まれるグルテン、あるいはそれらを原材料にした食品を避けることです。
グルテンとは?小麦以外のグルテンを含む穀物

グルテンとは、主に小麦に含まれるタンパク質「グルテニン」と「グリアジン」が水と合わさった時に、特有の弾力と粘着性のある物質に変化したもの。パンを作ったことがある方は、よくご存じですよね。グルテンが入っている穀物は、小麦、大麦、ライ麦とその交雑種。スーパーでも手軽に購入できる「もち麦」や「押し麦」は大麦なのでグルテンが入っています。「スペルト小麦」は小麦と同じくらいのグルテンが含まれ、「全粒粉」や「小麦ふすま(小麦ブラン)」にはふつうの小麦より多くのグルテンが含まれています。一方で「オーツ麦」や「ハト麦」には、グルテンが含まれていません。
小麦やグルテンが原因の病

小麦アレルギーは、小麦に含まれるタンパク質を体が有害な物質と認識して免疫系が過剰に反応し、湿疹や血液低下、意識障害などを引き起こします。グルテンが原因で起こる遅延型アレルギー「セリアック病:グルテンフリーダイエットは、もともとセリアック病患者のためのグルテン除去食」は、小腸の細胞が破壊され栄養がとれなくなる病で、腹痛や下痢、全身に様々な症状が起こります。同じくグルテンが原因の「非セリアックグルテン過敏症」は、腹部膨満、もやもや感、抑うつなど、腸や皮膚、神経にも症状が出ます。
グルテンフリーダイエットという食事法が注目を集めるようになってきたのは、単なるファッションや健康的イメージだけではありません。実は、特にアレルギーや持病のない方々の日々の不調がグルテンによるものであるケースが珍しくないそ