
「白砂糖は化学薬品で漂白されている」「白砂糖は骨や歯を溶かす」「白砂糖を摂るとキレやすくなる」、そんな話を聞いたことがありませんか?白砂糖は身体に悪そうだから、三温糖やきび砂糖などほかの砂糖を意識的に選んでいる方も多くいらっしゃるようですが、本当のところはどうなのでしょうか。
【目次】
4-1. きび砂糖
4-2. 三温糖
4-3. 黒糖
4-4. てんさい糖
6. まとめ
白砂糖の危険な噂

結論からいうと、白砂糖が身体に悪いというはっきりした根拠は見当たりません。そもそも砂糖は原料のサトウキビや甜菜から不純物を除去し、ショ糖を結晶化(無色透明)したもので、化学薬品との関連はありません。白砂糖は、細かいショ糖の結晶にさらに糖液をかけてしっとりさせたもの、グラニュー糖は白砂糖より結晶を大きくしたものですが、どちらも白くみえるのは結晶が光を乱反射しているからです。
★豆知識★
1980年代、「白砂糖や精製塩、精白米などの白い食品は身体に悪い」という科学的エビデンスのない情報が社会に広がっていました。アメリカで提唱されていた、食べ物や栄養が健康や病気に与える影響を過大に評価・信奉すること=フードファディズムが、さまざまな問題を引き起こし、人々の不安を煽ることが明らかとなっています。
参照:IDEAS FOR GOOD/フードファディズムとは・意味
https://ideasforgood.jp/glossary/food-faddism/
白砂糖が身体に悪いと言われるワケ

白砂糖(上白糖)は、料理やお菓子に甘みを付けるために欠かせない調味料の一つですが、以下のような点がデメリットとして挙げられています。
・栄養成分がほとんどない
・胃腸の不調や肥満、疲れやすくなる
・血糖値の急上昇とインスリンの働きによる低血糖
・イライラやうつ状態を引き起こす
・身体を冷やす
・骨や歯を溶かす
・依存症になる・・・ など
上白糖は、精製の過程でビタミンやミネラル、カルシウムが抜けてしまいます。精製を繰り返した後で、ブドウ糖などを含む「転化糖」をまぶしたもので、99%炭水化物、カロリー以外の栄養がほぼありません。
上白糖は体内でブドウ糖の形で吸収され、ビタミンB群の助けをかりてエネルギーになりますが、摂りすぎるとビタミンB群が不足したり、糖反射(胃腸の働きが一時的に止まる、便秘になる)が起こり、胃腸に負担がかかることが報告されています。上白糖が多く含まれるものをたくさん食べても、体内でエネルギーにならず、逆に身体は疲れていくのです。
また、「転化糖」は吸収が早く、血糖値が急激に上がった後はインスリンの働きで低血糖になり、脳の機能を低下させたり、イライラやうつ状態を引き起こします。血糖値が下がる際に一緒に体温が下がると、体が冷えることで血流が悪くなり、免疫も低下してしまいます。
骨や歯が溶ける、という指摘についてはどうでしょうか。前述の通り、白砂糖が体内に入ると、その分解のためにビタミンB1やカルシウムを必要とします。白砂糖を摂り過ぎると、これらの栄養素がどんどん奪われ、ついには骨から削ってくるしかない事態になるのです。
★豆知識★
ヴィーガンは、一般的な食事をしている人に比べて、ビタミン・ミネラル・カルシウムが不足しがち。砂糖をたくさん摂ると、消化のためにさらにこれらの栄養が奪われ、逆に砂糖依存になる可能性もあるそう。
白砂糖を使うメリット

上白糖よりなんとなくヘルシーそうだから・・・という理由でほかの砂糖を選んでも、そこから得られるミネラルやビタミン類はどれであってもあまり変わりないのですが、では、白砂糖を使うメリットはどんな点にあるのでしょう。
・火を通すと、綺麗な焼き色がつく
・スポンジ生地がしっとり、ふわふわになる
・防腐効果がある
・味わい・色味・風味にクセがないのでどんな料理や菓子のも合わせやすい
「転化糖」には水分を吸収する働きがあり、焼き菓子やケーキがしっとりした仕上がりになります。また、スティックシュガーや角砂糖、グラニュー糖のような白砂糖はそのものに風味があるわけではないので、そのまま飲物に混ぜたり、果物を使ったケーキやジャムなどに使えば、素材の色みも風味も損ねません。
ほかの砂糖と比べてみよう

きび砂糖
きび砂糖は、原料であるサトウキビ本来の色が残っており、茶色をしています。別名、粗糖とも呼ばれる精製の途中のもの。体内の水分を調整するカリウムやナトリウム、神経の働きや骨・歯の材料となるマグネシウムやカルシウムなどの栄養素を含みます。