ヴィーガン食に挑戦してみよう!と思ったら、まず揃えたいのが調味料。
一般的な調味料は、動物性原料のものが中心なので、いざとなると何を選べばいいか迷いますよね。
そこで今回フォーカスするのは、日本古来の調味料。
健康維持の観点からも世界中で認められる「和食」のルーツ、精進料理に使われている日本古来の調味料を紐解きます。ヴィーガンの方にとって、日々の食事の助けになること間違いなし、必読です!
【目次】
ベジタリアンやビーガン料理のさきがけの「精進料理」
精進料理とは
日本が世界に誇る食文化「和食」。
和食のルーツというと、精進料理(=仏教の戒律に従い、野菜や穀物といった植物性食品だけで作った料理)、仏教における修行の料理です。
ベジタリアンやビーガン料理のさきがけのような料理です。
五葷(ごくん)
精進料理が現代の一般的なベジタリアンやヴィーガン料理と大きく異なるのは、
心身の欲望を刺激しないとされる植物性食材を使用する点です。
(※オリエンタルヴィーガンがこれに当たります)。
欲情や怒りを仰ぐ煩悩への刺激物とされる5種類の野菜は、
ニンニク、タマネギ、ネギ、ニラ、ラッキョウで、五葷(ごくん)と呼ばれます。
世界3大医学の一つ、インド大陸の伝統医学アーユルヴェーダでも、五葷は人間の元来持っている気を傷つけてしまう特殊な野菜とされます。
アインソフ直営店舗でも、五葷抜きのメニューのオプションもご用意しています。
各店舗でご確認くださいませ。
精進料理のレシピ
精進料理の定番
日本人はもともとヴィーガンだったといっても過言でないほど、精進料理に使われる食材は、植物由来のものばかりです。
例えば、
・昆布や椎茸などで取った「精進だし汁」を使った季節野菜の煮物
・ごまをすりつぶし水で溶いた葛粉と合わせて固めた「ごま豆腐」
・卵を使わない「精進揚げ」
・精進だし汁を取り、肉や魚といった動物性食材は一切使用しない「けんちん汁」
・大豆の加工品である「湯葉」や「味噌」
「ごま豆腐」は、精進料理に欠かせないメニューの一つ。「豆腐」という名前がついていますが、豆腐の原材料となる大豆は全く使用されていません。
「精進揚げ」は、主に仏事やお盆に出される野菜の天ぷらです。
もどき料理
精進料理で最も多く使われる食材が、大豆。今話題の大豆ミートや代替肉の原型が
精進料理にあります。「がんもどき」がその一つ。肉や魚などを使っているように見立てた「見立て料理(もどき料理)」です。
仏教の戒律により動物性食材を食べられない僧たちにとって、大豆は重要なタンパク源。
肉や魚に近い見た目や味を再現するために、工夫を凝らした料理が生まれたのです。
参照:Vegewel/「精進料理」は、美味しいものへの飽くなき探求心から生まれた菜食だった。https://vegewel.com/ja/style/shojin/
日本が誇る「だし」
「だし」は、和食の調理に欠かせない、味の決め手です。
和食では、鰹節や煮干などで「だし」が取られますが、動物性食材を一切使用できない精進料理では、昆布と干し椎茸を使用する「精進だし」が欠かせません。
動物性食材の「だし」に比べて、植物性食材の「だし」は繊細で、うま味も淡泊。
それゆえに素材の味を引き出してくれますが、調理方法はやや複雑で手間がかかるため、
和食の中でも格が高い料理として扱われています。
アインソフオンラインストアでも気軽に使えるヴィーガンの出汁パウダーを販売しています。クリックして詳細をご確認いただけます。
ヴィーガンで使える調味料と使えない調味料
ヴィーガンは、動物由来の食材は摂らず、オリエンタルヴィーガンは、動物性食品に加え「五葷」も避ける厳格なアプローチです。
つまりヴィーガン調味料とは、動物性食材を一切使用しない調味料です。
ヴィーガンNGな調味料とその理由
動物性由来のだしやコンソメ、市販のマヨネーズやソース、ドレッシング類で動物性食材が使われているもの、精製する過程において、炭化させた動物の骨を使う白砂糖、蜂のごはんである蜂蜜、「○○ソース」と名前の付くものや「みりん風調味料」に代表されるような加工調味料の多くはヴィーガン非対応です。
もう少し詳しく見てみましょう。
・白砂糖(精製糖)
エシカルな観点と、ミネラル分などの栄養がないという点から、ヴィーガンは白砂糖を避けますが、「純黒糖」でない加工黒糖や再生黒糖、「きび糖」も商品によっては途中までの精製過程で、骨炭を使用している可能性があるので注意が必要です。
・食卓塩(精製塩)
「食卓塩」として広く流通している精製塩は、身体に悪いという噂があり避ける人も多いですが、実際のところは用途によって選ぶというのが正しく、強いて言えばナトリウム以外のミネラルが含まれた塩が欲しい場合に、成分表を見て自然塩を選べばいいのです。それよりも注意すべき点は、原料と製法。たとえば「岩塩」や「天日塩」と書いてあっても、昔ながらの製法とは限りません。
参照:日本ソルトコーディネーター協会
【塩の豆知識】「ミネラル豊富な塩」という表現について
・加工味噌
市販の味噌には、動物性原料のだし汁が添加された加工品が多く流通しています。
液状タイプの味噌やだし入りの味噌は、製造の過程で熱を加えられている場合や、
アルコールを添加して、発酵を止めているものがあります。
発酵が止まり酵素の働きが止まっているから身体に良い影響がないわけではなく、ちゃんと腸内細菌の餌となり整腸作用を促してくれますが、菌が生きている味噌を購入したいと考えるのであれば「生みそ」がオススメです。
参照:楽食マガジン
本物の味噌ってなに?選び方や体にいいおすすめの無添加味噌も!
ヴィーガンOKな調味料
ヴィーガンは、使える調味料が少なくて料理の幅が狭そうに思われがちですが、
実は一般的な調味料のヴィーガン版が増えています!
あらためて、ヴィーガンが使える動物性不使用の調味料は、
・塩
・砂糖(てんさい糖、黒砂糖、きび砂糖、パームシュガーなど)
・メープルシロップ、アガベシロップ
・醤油
・みりん
・酢
・味噌
・ピーナッツバター
・トマトソース、ケチャップ、豆乳マヨネーズ
・ぽん酢、ごまだれ
・野菜のベジブロス
・昆布粉末だし汁、めんつゆ
・薬味(ショウガ、ワサビなど)
・ハーブやスパイス類
一から自分で作るのが一番安心ですが、便利なものを上手に取り入れて、
ヴィーガン食を楽しく続けることが大事ですね。
参照:ヴィーガンが使える調味料とは
https://vcook.jp/articles/veganseasoning
ヴィーガンライフには調味料が重要
日本の精進料理やもどき料理をルーツに持つ和食は、ユネスコ無形文化遺産にも登録され、世界に大きな影響を与えています。日本古来の調味料は、動物にも環境にも人間の身体にも優しいことがおわかりいただけましたか?
よりヘルシーなヴィーガンライフを送るために、日本の伝統調味料を見直してみてくださいね。
参照:農林水産省/「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されています
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